仕事

逃げずに炎上プロジェクトに立ち向かって得られるものはある?

燃え盛る炎

コンサルタントなら一度は通る道、炎上プロジェクト。初めて炎上体験だったので、実体験を赤裸々に綴ったうえで、最後に、炎上プロジェクトを通して得たもの、分かったことについて触れたい

なぜプロジェクトは炎上したのか

そもそもの炎上経緯は以下の3点に集約される

  • 営業担当であるパートナー、マネージャーのクライアントに対する理解度が低かった
    -ある部門の業務高度化を目指すプロジェクトだったのだが、コンサル会社として提案する内容のほとんどがクライアントにて既に実施済みの内容で、期待外れだった
  • システムを理解できる人間がアサインされなかった
    -業務の高度化に加え、基幹システムの刷新の上流部分もプロジェクトのスコープに入っていたのだが、肝心のシステムを理解できる人間が別プロジェクトに既にアサインされており、必要な人材を確保できなかった
  • 必要工数の大きな見誤り
    -どう考えても当初想定した人員数ではプロジェクト完遂することは不可能だったにも関わらず、コンペに買ってプロジェクトを受注してしまった

こうして、プロジェクト開始後1か月が経って、社内的にも案件の炎上が明るみに出て、クライアントからもクレームをもらって、罪の無い人間が大量に投下されていくことになる

休憩なし、休日なし、体重激減

私自身のアサインはものの1か月半くらいだったが、炎上とはこれ程までにきついことかと、身をもって知った

まず、休日がない。労働基準法など、そこでは通用しない。とにかくクライアントファースト。ワーク、ワーク、ワーク、、、休みなくぶっ通しで、朝から深夜、詰まっているときは当然徹夜で働くことになる

そこにはメリハリがなく、膨大な業務量と、頭が回らない中でのマネージャーによる時間管理の中で、常に追いつめられている状態が続くことになる

食事は昼夜問わずコンビニ弁当、ホテルに帰って疲れて寝るだけの仕事漬け生活

沢山食べると眠くなるから、最低限の量しか食べないようにする。すると、ずっと働いて頭も使っている分、消費カロリーの方が多くなるのだろう。みるみるうちに痩せていく。ストレスからか、お腹の調子も悪くなって、さらに痩せる

私はこの生活習慣を勝手に“炎上ダイエット”と命名してポジティブな気持ちを保つことができたが、人によっては耐え切れずに自らリリースされる人もいるだろう

今回はチーム全員で乗り切ったが、炎上プロジェクトのいいところは、社内的にも炎上していることが明るみに出ているので、いくら愚痴をいっても笑い話で終わるところだろう、

普通、こんなプロジェクト早く終わらせたいですねっ!なんて上司やパートナーに対して言えないものだ

頭が回らない状態で詰められるのは正直きつすぎる

特にきつかったポイントは人によって違うかもしれない。私の場合、いわゆる「何がわからないのかもわからない」状態で、キャッチアップの基幹もなくいきなり投入されてしまったため、全てを知らない状態からのスタートだった

にも拘わらず、新たに設定しなおしたWBSに基づきタスクだけは尋常じゃない量が降ってくるので、知識をインプットしながらアウトプットを作ることを朝から晩までエンドレスにやることになる

炎上しているだけあって、お偉いさんたちの頭の中にも仮説がないため、ワークした結果が仮説構築の材料になる。明らかにプロジェクトのフェーズでやることじゃないことをやっている

だから、アウトプットを出しても無駄になるという事態がずっと続く。忙しいのに進歩がないのは非常につらい

私の一か月前からいたメンバー(当初からアサインされていた人間)は、成果0のまま激務をこなしてきたわけだから、相当辛かったに違いない

そうこうするうちに、体力的に限界がきて、リポビタン11を何本飲んでも頭が回らなくなる。寝るしか回復方法はないのだが、ぐっすり寝る時間がなかなか取れない

私の場合、専門領域と全く違うことについて、頭が回らない中で、Why?Why?Why?と質問され続け、タスクが終わらないことについて詰められることが何よりも辛かった

人員補充のために、未経験を何人投入しても同じ

炎上するとクライアントの信頼を取り戻すためにも、追加で何人も人がアサインされるわけだが、火消しできる人間をアサインしないことには何の解決にもならない

頭のいいパートナーのみなさんはそんなこと百も承知な訳なのだが、専門知識を持った人間は他にアサインされて確保できない以上、体面を保つために「努力の証」として人を投入しつづけるようになる

こうして炎上の犠牲者がどんどん増えて、プロジェクトの赤字もどんどん拡大していくことになる

そんなことを続けるうちに、私のチームに専門知識を持った、火消しのできる人間がアサインされた。チームの人間全員が口をそろえて、”神”と言っていた

いくら優秀な人材でも、キャッチアップの期間なしで専門知識がないことをこなせと言われても無理だ

私のチームにも戦略コンサル出身のベテランがいたが、全く役に立たなかった。戦略コンサルの人間は確かに有能だと感じるが、無理なことは無理だ。万能ではない

炎上を通して得たもの

そうこうするうちに、やがてプロジェクトも円満に終わるのだが、この激務の中で自分が得たものは何か

やっている間は本当に想像を絶する辛さだったが、終わってみればカラッとしているもので、思い出してみると楽しさのようなものもあった。チームの人間とも仲良くなった

人によって違うだろうが、私が得たものを厳選すると以下のようになるだろう

  • 達成感
    -まずこれは外せない。プロジェクトが終わった時、部活の長期合宿から解放された時のような清々しさがあった。この解放感は一生記憶に残ることだろう
  • 社内ネットワーク
    -炎上すると、人がどんどん投入される。そして、投入された人たちと長時間にわたり濃密な時間を共に過ごすことになる。終わってみると、”苦難を共に乗り越えた盟友”みたいな感じになる。人が沢山いるので、結果として社内に腹を割って話せる人間が沢山増えたことになる
  • 専門知識
    -ハードワークによって、かなりの短期間で知識を詰め込みつつ、アウトプットを出すことにもなるため、関わった分野の専門知識は結果としてそれなりについたし、その分野で今後活躍するための自分にとっての課題も明確になったことは良かった
  • 炎上プロジェクトを回避する術
    -例えパートナーからのお願いでも、断る勇気。深夜・休日の偉い人からの電話には出てはいけないという知識

もう一度やりたいかと言われたら、、

間違いなくやりたくないと言うだろう

パートナー含め、プロジェクトに関わった全員が二度とこんな地獄は味わいたくないと言うだろう

終わってみると楽しかった気もするけど、二度とやりたくない。炎上プロジェクトとは、そういうものだとわかった